川崎イレブンの勝利への気迫が、開始から爆発した。３分に鄭大世のゴールで先制すると、１２分にはＦＫに黒津が頭で合わせて２点目。２２分にはレナチーニョが中央からミドルシュートをたたき込んだ。ここまでのうっぷんを吹き飛ばすような猛攻だった。

　ここまで２戦２敗。川崎にとってメルボルン戦は、３戦目にして「背水の陣」だった。２００２年のＡＣＬ発足以来、Ｊリーグ勢が３連敗したケースはない。「あっちゃいけないこと。引き分けすら許されない」と鄭大世。序盤の連続得点には、川崎の意地とプライドが凝縮されていた。

　しかし、そんな気持ちの強さが前半終了間際に裏目に出たか。鄭大世が暴力行為で一発退場。３点リードという状況を考えれば全く必要のないカードだった。鄭大世は試合中にも警告も受けており、累積警告分と合わせ、アジアサッカー連盟（ＡＦＣ）の裁定次第では１次リーグ残り全試合に出場できないおそれもある。

　川崎はただでさえ、攻撃の柱である中村とジュニーニョをはじめ負傷者が続出しており、台所事情は苦しい。試合終了間際にも１点を加えて背水の試合に完勝し、アジア制覇への望みをつないだ川崎だが、熱くなるあまり冷静さを欠いたことで、小さくない代償を支払うことになった。（森本利優）


以下、川崎スレより